永い延長戦

2023年:「何でも見てやろう」

気持ちを持てない

自分は器でしかない。流れでしかない。

器の中の、流れの中のどこかにたゆたっているはずの感情を、見ようとしている。何らかが、たしかにそこに湧いていると知っている。追い求め、手を伸ばし、でもそれはつかみとることができない。

感情が、誰かが抱いた感情の焼き直しでしかなかったら、怖い。

感情が、自分も誰かも抱いていない感情だったとしたら、怖い。

いま自分の感情だと信じ込もうとしているその感情がほんとうに自分の実感に即したものなのか、確かめることができないのが不安になって、結局、内に自分の気持ちを求めるのを諦める。誰かの感情表現の空真似に手を染める。読書感想文には、同情とか感動を書いておけ。

こうしてますます自分のこころが遠ざかっていくのを、どうすることもできない。

 


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