永い延長戦

2023年:「何でも見てやろう」

明石まで来た。旅だ。

明石まで来た。旅だ。海も橋も向こう側の淡路も、全部見える。ブログの下書きは、いつも万年筆で書いているけど、旅の道中で記録を綴るのにインクを使い果たしてしまったから、選択肢はジェットストリームしかなかった。紙とペンのミスマッチから生じる絶妙に微妙なぬるぬる感を、書き進めるほどに受けとめていくしかない。

旅先では、静かな夜の街の中で、動いている何かに目を向けながらぼーっと夜ふかしするのが好きだ。
今日もそんなことをしていた。明石はうるさい街だった。明石海峡大橋がうるさい。日付も変わったっていうのに、車は行き交いつづけてた。淡路から神戸は許すが、神戸から淡路に、こんな時間から行ってどうするのか、と思った。いや、みんな四国にいくのか。みんなのろのろと走っていく。

せっかくの旅だ今日こそはブログを書こう、と思ったのに、車を眺めるばかりで我に返ったらちっとも書き進んでいなかった。もどかしい。まあ結局何が書きたかったわけでもないのだ。
クリックしてもらいやすい広告の位置とは? 流行りの水素水って結局効果あるの? 調べてみた! こんな記事を見つけると唾をはきかけたくなるけど、こういうのが書きたくて書いているのなら、書きたいことがあって書いているというのなら、書きたいことを書けているというその一点において尊敬できるなとはじめて思った。

信号の瞬き、船の往来、そんなものもじっと見つめる。ほっとする。青信号のまま世界に止まってほしいな、怖いけど。船と車と信号さえなければいま、この窓の向こうは記憶になるのに。