永い延長戦

2023年:「何でも見てやろう」

20180318 退廃

人と接続されているから人の振る舞いをすることができる。予備校の無料体験に申し込むつもりだったのに取りやめてしまったのは馬鹿だったかもしれない。春の予定がからっぽになってしまった。期末テストは返却されたけど終業式はまだ済んでなくて、宙吊りのこの期間で既に自分は人間的をやめ始めている。日頃の生活から、一歩も足を踏み外すべきではなかったんだろう。水分、食事、睡眠、外出。どれか一つでも欠かしてしまえば、退廃に向かうまでは一瞬だった。一日の3分の2はタブレットの画面を見ている。昨日まで楽しく見ていたアニメの続きに、急に興味がなくなった。どんな懐かしの音楽も、自分の支えにはならなかった。電球でできた天井の明暗を見て転がっていて、もう日が暮れたかなと思ったらまだ近くの公園で子どもがボールを蹴っている。読むのも聴くのも見るのもつらい。ここから立ち上がるには気力がいる。でも気力を得るにも気力がいる。幸い来週は終業式と卒業式があるから、気力とか言ってられなくて嫌でも立ち上がらざるを得ない。その先自分はどうしたらいいんだろう、と不安になる。ほんとうは5時間寝たのに「昨日4時間しか寝てねえ」、ほんとうは1食食べたのに「昨日なんも食ってねえ」、こういう類の嘘を自分は吐きたくなるし、実際まれに言ってしまう。でも今の自分は、誇張せずともほんとうにつらいな、ゆらゆら帝国の「空洞です」という曲が唯一今の波長にぴったり重なっていたのだけど、それが自分のどこかを変えるわけでもない。